研究職になるためには資格は必要?
就職や転職で有利になる資格はある?
企業の研究職は新製品/新技術の開発やマーケットの分析など会社の成長を支える重要なポジションです。研究職に就くためには高い専門知識とスキルが求められますが、さらに資格を持つことで自身の市場価値が高まりキャリアの発展に役立ちます。
本記事ではそんな研究職の資格事情について解説していきます。
- 研究職になるため資格は必要?
- 研究職の人はどういう資格を取ってるの?
- 就職や転職が有利になる資格を知りたい!!
本記事ではこんな悩みを解決していきます。

今回は勉強大好き・資格大好きな私が「研究職と資格」について記事を書きました。実際に資格を取得して役に立った経験や資格を取るための勉強時間なども書きましたのでぜひ参考にしてみてください。それではいきましょう。
**本記事を執筆している私は化学系の企業で研究職についています。そのため、ご紹介する資格も一部化学業界向けの資格となる部分がありますが、ご了承ください。
研究職に資格は必要?
まずは結論から。
- 研究職になるための必須な資格はない(医師免許や薬剤師免許が別)
- 学位(修士号/博士号)はほぼ必須
- 英語力や専門的な資格は就活や転職で有利に働く
一般的に高い専門性を有する職業には国家資格が必要となります。医師や薬剤師、会計士、税理士などが分かりやすいですね。研究職に関しては「この資格を取っていないとなれない!」といった資格はありませんが、修士/博士といった学位ほぼ必須となります。
ある意味で修士卒が必須な資格(学歴)のようなものからもしれません。それでは本題である、研究職におすすめな資格5選について見ていきましょう。
研究職におすすめな資格5選
おすすめの資格5選(+スキル)は次の通りです。
- TOEIC ★★★
- 危険物取扱者 ★★★
- 日商簿記 ★★
- 統計検定 ★★
- 知的財産管理技能検定 ★
- プログラミングスキル ★★★
※★はおすすめレベル

私が実際に保有して役になった経験談も書きましたので資格取得のモチベーションなればうれしいです。
TOEIC(おすすめ度★★★)
まずは英語力指標の王道、TOEICです。
今の時代、どこの企業もグローバル化を進めています。企業の研究職であっても海外ユーザーとのやり取りや学会発表などで英語を使う機会は頻繁にあります。
そのため、研究者にとって英語力は重要な要素となります。企業によっては昇進や管理職になるためには「TOEIC○○点以上」といった基準があるところもたくさんあります。
私は入社後にTOEIC940点を取得し、入社1年目から海外案件を担当するようになりました。TOEICは、英語のリーディングとリスニングの能力を測定する試験なので、スピーキング力は評価はできませんが、それでも高得点を持っているとかなり有利になります。



スピーキング力にはそこまで自信はありませんでしたが、実際に仕事で英語を使っていくうちにどんどんと向上しました!
英語を使える研究者は企業でも重宝されやすいのです。若い内から海外案件を担当できると昇進時などで有利になることも多いです。目安は以下の通りです!!
TOEIC600点以上:最低限欲しいレベル
TOEIC700点以上:周りに一目置かれる
TOEIC800点以上:海外案件を任される
TOEIC900点以上:なぜ変態だと思われる
具体的に研究職でどんな時に英語を使うのかについては以下の記事で詳しく解説していますので、参考にしてみてください。


危険物取扱者甲種(おすすめ度★★★)
危険物取扱者甲種は、危険物の取り扱いに関する国家資格です。
こちらは製造業など化学物質・有害物質を使う研究職の方に特有の資格となります。試薬類の安全な取り扱い方法やリスク管理に関する知識を身につけることができます。研究実験や試験管取り扱いなど、危険物に関わる業務においては必須となることもあります。
甲種以外にも危険物取扱者乙種、危険物取扱者丙種もありますが、研究職の方であれば甲種を取得しましょう。



試験勉強は正直退屈な部分もあります…..が、取得すると「上司をはじめ管理職に喜ばれます」(笑)。会社での研究は安全第一です。部下が危険物を持ってことは上司の安心材料にもつながるようです。
私の会社では「研究所内に1人以上は必ず危険物取扱者甲種を取得している人がいなければならない」といったルールもあります。化学物質を取り扱う研究職の方であれば、持っていて損はないのでぜひチャレンジしてみてください。
日商簿記2級・3級(おすすめ度★★)


簿記は「商売におけるお金の流れ」を学ぶ資格です。
簿記を取得すると経理情報の解釈や財務分析のスキルを身に付けることができます。
「研究職なのに簿記??」と思われる方もいるかもしれません。研究職であっても昇進すると次第にマネジメント職へと移行していくことになります。プロジェクトの予算管理や経理データの分析、財務面での意思決定や資金調達の判断においては、必ず簿記の知識は必要になります。
おすすめは日商簿記3級です。年間受験者数は50~60万人。企業に勤めるサラリーマンなら職種によらず持っておいた方がいい資格としても有名です。もし余力があればぜひ日商簿記2級にもチャレンジしてみてください。



簿記の知識はプライベートでの資産管理にも役に立ちます。資産運用は若い内からスタートすることが大切。お金の知識を増やしていきましょう。
統計検定(おすすめ度★★)
統計検定は、統計学の知識やスキルを評価する資格試験です。データの解析や仮説検定などの統計的手法に関する知識を身に着け、統計に基づく意思決定や問題解決能力ができるようになります。
研究職ではデータの収集、解析、結果の評価は日常茶飯事です。特に最近は研究職の間でも機械学習などによるデータ解析も頻繁に行われるようになってきています。
データの解析において統計の基礎は必ず役に立ちます。むしろ統計の基礎がしっかりしていないとデータを誤って解釈してしまい、研究の方向性を大きく間違える可能性があります。
統計検定自体はメジャーな資格ではありませんが、データを扱うものとしては必ず身に着けておきたいスキルです。



データは日常生活の周りにもたくさんあります。
・平均年収
・平均貯蓄額
・○○歳で病気になる確率
・感染者の推移…etc
メディアでは何かと誇張されて表現されますが、統計の知識があると数字に騙されにくくなります!!簿記同様に統計知識は普段の生活でも役に立ちますよ。
「資格の勉強まではしたくない!!」って方、個人的に一番おすすめなのは[図解]大学4年間の統計学が10時間でざっと学べるです。これ1冊で、統計の基礎は全部入ります。
Kindle Unlimitedに対応しているため、今、登録すれば99円で読むことができます。
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本屋だと1000円以上するのでとてもお得です。
知的財産管理技能検定(おすすめ度★)
知的財産管理技能検定は、特許や商標、著作権に関する知識とスキルを評価する資格です。企業の研究職になると特許に触れる機会は必然的に多くなります。
特許は「自社の技術を独占する」ために出願することが多く、研究職にとって非常に大切な仕事です。
自社技術を守るためにはどんな特許が必要か?
他者技術を上手くかわせないか?
このような仕事は特許に関する土台知識があってこそ進められるものです。



研究職経験した後の自身のキャリアとして特許Gや特許事務所などを考えている方にはおすすめな資格です。
プログラミングスキル(おすすめ度★★★)
最後はプログラミングスキルです。こちらは資格ではありませんが、かなりおすすめなので一緒に紹介します。
- データ解析
- マテリアルズインフォマティクス
- 機械学習
- ビックデータ解析
- AI
こういったワードはここ1~2年の大きなトレンドと言えます。データを取り扱う研究職においてもトレンドの波が押し寄せており、学会や講演会などでも毎年発表件数が増えています。
データの解析やモデリング、シミュレーションなどのタスクを効率的に実行する上で、プログラミングスキルは非常に役に立ちます。特に、データサイエンスや機械学習の分野では、プログラミングスキルが不可欠です。PythonやRを習得しておくと、データのクリーニング、可視化、モデリング、予測などの作業をスムーズに行うことができます。
「プログラミングなんてハードルが高い!!習得に何時間かかるんだよ!!」
全くその通りで、一昔前なら私も決しておすすめはしませんでした。ですが、Chat GPTが出てきたことで素人でも簡単にプログラミングができるようになりました。
必要なのはPythonやRの基礎のみ!!30時間も学べば十分です。基礎ができたらあとはChat GPTにコードを書いてもらうだけです。



私はPythonの基礎本を軽く読んだだけですが、Chat GPTのおかげで回帰分析やクラスタリングなどを業務に導入できるようになりました。
研究職でプログラミングができると本当に強いです。そしてプログラミングを学ぶと世界の見え方が変わります。
基本書は以下のPython書籍で定番スッキリわかるPython入門1冊で十分です。これを読んであとはChat GPTと対話しながらどんどんコードを書いてみていってください。
まとめ
企業の研究職においては、専門知識とスキルに加えて特定の資格を持つことがキャリアの発展につながる場合があります
TOEICや簿記のような一般的なスキルから、危険物取扱者や統計検定、知的財産管理技能検定などの専門的な資格まで、研究職のニーズに合わせて資格を選択していくことがおすすめです。
これらの資格を持つことで、研究者としての専門性や能力を高め、競争力を向上させることができます。是非、自身のキャリアパスに合った資格の取得を目指してみてください。