こんにちはクロさんです。
今回の投稿では、研究者(職)を目指している学生や、研究職に就いている方々に向けて研究者に必要と感じる素養についてお話します。
今回は以下のような疑問を抱えている人に向けた内容です。
- 自分が研究職に向いているか
- 研究職からどんなキャリアチェンジが考えられるか
博士号を取得した私の経験を基に15個の項目を挙げます。
特にこれから修士課程や博士課程への進学を考えている学生さんは、自分に研究が向いているかと考えると思います。
また、現に働いている方は、このまま研究に従事し続けるべきか、それとも別の仕事をするか考えることがあるかもしれません。
そのような方々の悩みに対して、今回の投稿が助けとなれば幸いです。
まず結論についてです。
■結論
- 研究者にとって最も重要な素養は研究が好きであること
研究は苦しいことが多い。好きなことであれば苦しいことも乗り越えられる。
好奇心旺盛なため、よく勉強する。
コツコツと取り組める(運を味方につけられる)。
常に研究に向き合い、先を見通せる。
誠実に向き合う
- 研究職からのキャリアチェンジ
エンジニア、コンサルタント、大学広報など自分の経験を活かして様々なチャレンジが可能。
研究におけるものごとの考え方は多くのことに応用が可能である。

博士号を取得した私が思う、研究者に大切な素養と可能なキャリアパスを紹介します。


これまでの経歴


自己紹介のページでも申し上げていますが、私は2021年9月に博士号を取得し、現在は自動車メーカーにてエンジニアとして働いています。なのでそれなりに研究に向き合ってきましたし、成果もあげてきました。少しは説得力があるかなと思います。研究業績も載せているので、参考までにご覧ください
博士課程に進学するまでの経歴は以下のようになります。
- 埼玉県立の高等学校を卒業(主席入学)
- 国立大学に入学
- 同大学の大学院修士課程に入学
- 同大学の大学院博士課程に入学し、2年半で学位取得
- 現在に至る
学部4年次に研究室に配属されてから、5年半研究に従事してきました。私の研究生活はとても充実しており、楽しかったです(彼女さえできればもっと良いのですが)。
周りの人たちにも恵まれたので、スムーズに研究も進みました。その中で感じたことをこれからお話していきます。
研究職に向いている人の特徴13選


1. 研究が好きか
最初の項目ですが、個人的には「研究が好きか」どうかが最も重要だと考えています。研究者は研究を行うものですので、研究が好きでなければやっていられないと思います。きっとみなさんも嫌いなことはやりたくないし、好きなことをやりたいと思います。
なので、研究が好きならば、研究者を志すべきだと思いますし、別のことが好きならば、それをすべきです。それが仕事なら、なおいいと思います。
2chの開設者である西村ひろゆき氏曰く、「好きなことは仕事にしない方がいい」そうです。理由は、仕事では面倒な事務作業が多々あるからです。そのような面倒なことと、好きなことは一緒にしない方がいいという意見です。
私も一理あると思います。最悪の場合好きなことも、好きでなくなってしまうかもしれないですよね。
一方で、好きなことをやるためだからこそ、面倒な事務作業も我慢してやれるのかなとも思います。「これが済めば好きな研究ができる」というようなモチベーションならば、むしろそういった作業も早く片付けられるのではないかと考えます。
また特に研究はトライアンドエラーが求められます。うまくいくことの方が少ないものです。そういった状況すらも楽しめる、好奇心が掻き立てられるような人は研究に向いています。といいますか、研究が好きならこういったことも苦労とすら感じないでしょう。
私は研究が好きで博士課程に進学しました。計画を立てるたびに、「これをやったら何がわかるだろう」と、ワクワクしました。順調に進んだことも大きいですが、苦労と感じたことはありません(実験が面倒だと思ったことがあるのは内緒です)。
すなわち、研究が好きであることは、研究者の根幹であり、最重要事項であるといえます。「研究がしたい」、「研究が好き」という人は、十分研究者としての素養があります。



好きなことのためなら頑張れる人、多いのではないでしょうか。
2. 好奇心があるか
上に通ずるものがありますが、好奇心の有無も研究者として重要な要素です。まず研究というのは、基本的に未知の事象を追いかける行為です。未知の事象に興味が持てないのであれば、研究にはあまり向かないと思います。
好奇心は研究の原動力になり得ます。知りたいという動機が、自身の行動を突き動かします。また、研究をする上では情報収集が必要ですが、好奇心があれば調べものをするのも苦ではないと思います。私は少しだけ、論文を読むのが苦です(笑)。
既報との違いを生み出せるかどうかが、研究のカギになってくるので、好奇心は大切です。ただ元々研究が好きであれば、すでに好奇心旺盛なはずなので、問題ないでしょう。
3. マネジメントができるか
研究を形にしていくためには、マネジメントが欠かせません。研究にはいくつかの段階があると思います。個人的には、
情報収集→課題抽出→仮説の構築→仮説検証(実験)→分析→(仮説検証、分析の繰り返し)→結論導出
のステップに分けられると考えています。この一連の流れを首尾よく行うことが求められます。
情報収集と課題抽出はバランスが難しいです。調べものをしているだけでは研究は進まないので、情報収集と課題抽出は期限を決めて行うのがいいでしょう。一方で、いい加減にやってしまっては、すでに行われている研究をなぞってしまうことになるので、うまくやる必要があります。
実験、分析に関しては根気が要ります。結果が出るまで辛抱強く繰り返す必要があります。もし、芽が出ないのであれば、情報収集を追加する必要があります。
研究を進めていく段階で、ある程度の目途をつけなければならないときがあります。やみくもに実験をやっているだけでは、研究がまとまらず発散してしまいます。
実験をするうえで気になる結果が出てきた場合、それを追い求めたい気持ちはわかります。しかし、その時に何を追及しているのかをしっかり理解しなければ、研究としてまとまらないです。つまり、成果が出なくなります。
気になることが出てきた場合、それは未来への種になります。次のステップとして大事に取っておきましょう。
ですので、成果を安定的に出すためにもマネジメントをしっかり行いましょう。
4. 忍耐力があるか
研究にどんなに向き合っていても成果が出ないことはよくあります。1年や2年、目ぼしい成果が出ず、仮説検証を繰り返す日々が続くこともあるでしょう。
そのような時期を乗り越えられるかが、成果を出す鍵です。私は大学院で成果が出ずにくすぶっていた時期はありませんでした。ただ、これは完全な運です。研究はそこまでスムーズに進むものではありません。
分野に依っては1回に何日もかかる実験をする必要があります。このような場合、データを集めるだけで相当時間がかかります。
それでも明らかにしたいこと、明らかにしなければならないことがあるならば、忍耐強く取り組みましょう。
論文を読んでいると、このデータを集めるのに相当時間がかかったんだろうなということが伝わることもあります。
しかし、時間をかけて得たデータを使っても、論文にできないことも、学会発表すらできないこともあります。
でもそれは無駄なことではありません。それはただ、「そのとき行った検討では不十分だったということがわかった」ということを示しただけです。
このような場合も「わかった」ことが増えたわけです。その経験は、必ずどこかで生かすことができます。
5. コツコツできるか
研究は、一朝一夕では成りません。多くの検討が必要で、ひと段落したと思っても終わりはありません。検討事項ならいくらでも出てきます。
全く着手していなかった研究に対して、1週間で成果を出せと言われてもほぼ不可能でしょう。
一定以上の時間をかけて、コツコツやっていくのが研究です。一夜漬けで何とかなるものではありません。
集中力にムラがある場合は特にコツコツやる習慣をつけるべきだと思います。少しでもいいから毎日前進すると、形になっていきます。「集中力がないな」と思う日でも、ちょっとでも進めれば、次につながります。
よくある話ですが、毎日1%でも進捗があれば、90日後には(1.01)90=およそ2.45倍の進捗です。成長率と考えてもいいです。日々コツコツ研究に臨むことが、大きな進捗・成長に繋がります。これはどんなことにも言えますね。
私は毎日研究に向き合いました。ダラダラ作業を進めてしまうこともありましたが、それでも少しずつデータを積み重ねていきました。その積み重ねのおかげで、多くの成果を出すことができました。
逆にダラダラ過ごすくらいなら、毎日少しの時間でも集中して、それでちょっとでも進捗があれば、それが成果に繋がっていきます。残った時間は休めばいいのです。
6. コミュニケーション能力
特に博士課程の学生に関して、コミュニケーションが取りづらいというイメージが以前からあるようです。
確かに大学教員の中にいますね、取りづらそうな人。優秀なんだけど、ちょっと話しづらいなと感じる人。
けど私の経験上、社交的な先生が多いです。もしかしたら皆さんも、大学の先生って意外に社交的だなと感じることあるんじゃないでしょうか。
それもそのはずで、研究は他者とのコミュニケーションが欠かせません。
学生の内から後輩や、指導教員を含めた様々な先生、企業に勤める研究者とコミュニケーションを取ることがあります。
このコミュニケーションには、研究に関する議論と飲み会などでのコミュニケーションが含まれると考えます。
研究を進めていくためには密にディスカッションを交わすことが重要です。人の意見も聞けないような人が、研究なんてできるわけないですよね。
でも、納得できないことまで聞き入れる必要はありません。そこは納得するまで、とことん話し合いましょう。
コロナウィルスでの制限がない場合ですが、学会発表で出張をしたときは、必ず夜に飲み会があります(笑)。
もちろん無理強いするようなものでもないし、酒を飲まされるようなものではありません。情報交換の一環でもあります。下らない話もしますよ(笑)。
ただこのような場で仲を深めれば、共同研究につながることはよくありますし、困った時にも力を貸してくれます。
これらの観点から、人とのコミュニケーションは欠かせません。コミュニケーションの術も身につけられると良いです。
7. 運がよいか
特に研究者には、運が必要だと考えます。最近は機械学習を用いた研究が盛んで、材料開発を予測に基づいて行おうという動きが活発です。これはトライアンドエラーによる時間と費用の削減が目的です。
一方で、今のところどれも研究段階にあるものばかりです。材料研究においては、計算で予測を立てるよりも実際に手を動かした方が速い場合も多いです。
そのような場合、理想の発見にたどり着くかどうかは、運の要素が大きいです。
IPS細胞がきっかけでノーベル賞を受賞された山中伸弥先生も、以下の記事で「偶然は発明の父」という言葉得を使っています。IPS細胞の発見自体も偶然だったそうです。
Science Portal: https://scienceportal.jst.go.jp/explore/highlight/20190904_01/index.html
私自身も修士1年の頃にブレイクスルーとなり得るデータが「運よく」得られ、博士課程に進学するきっかけになりました。論文を順調に出せたことも、運がよかったからと考えています。
しかし、手数をこなす、つまりコツコツと積み重ねていないと、運にも恵まれないでしょう。山中先生の実体験は、それをよく物語っています。
8. メンターに恵まれるか
これも研究だけに限らず、メンターの存在は大きいです。
私の場合は、進路への影響が大きかったです。博士課程への進学を決意で来たのは、大学の指導教員の下で研究ができたからです。
とてもコミュニケーションの取りやすい人で、好きに研究を進めさせてくれたのは助かりました。
正しい方向に導いてくれるというよりかは、明らかに間違った方向には導かない人がいいかと思います。正しいかどうかは、答えが出ないと思うので。
また、相手の考え方をある程度は受け入れられるかも重要でしょう。馬が合わない人と付き合うのは、なかなか難しいと思うので。
個人的には、結果よりもまず、努力を認めてくれる人をメンターにするのもいいと思います。
私はコツコツ努力する姿勢を指導教員に認めてもらい、多くのチャンスを与えてもらいました。それが自分の成長につながりました。
ですので、特に始めの方は努力している姿を認めてくれる人がいいでしょう。こちらもやる気になります。
9. 人脈を作れるか
研究を続けるうえで、様々な方と出会えるでしょう。特に学会の場でコミュニケーションを取れれば、今後も共同研究をする機会に繋がることもあります。
私は博士課程において、指導教員の知り合いの先生と共同研究させて頂く機会がありました。そのおかげで2年弱で2報論文を提出することができました。
非常にありがたかったです。その先生が論文を書く際には、こちらでお手伝いさせていただくこともあります。それだけで勉強になります。
また、学会で出会った先生からは大学のポストが空くということで、私の名前を候補に挙げてくださったようです。
就活の時期とは少しずれてしまったことと、私が大学に残る気がなかったことが重なって特に話は進みませんでしたが、人脈があれば、優先的にこのような話を受け取ることもあるでしょう。
また、研究仲間を作りましょう。私は普段から話すような研究仲間が周りにはいなかったです。
それだと情報収集ができないし、自分の立ち位置もよくわからないです。自分の研究のペースがどの程度なのか、分かりにくかったです。
さらに研究室の愚痴をこぼす機会もあまりなかったので、ストレスが溜まることもしばしば。なので、ぜひ研究のことを話せる仲間を作りましょう!一生付き合えると思います。
10. 孤独に耐えられるか
特に学生の内の研究は、孤独を伴うかもしれません。私は博士課程に進んだ段階で、同期がほぼいなくなりました。後輩と特別仲がいいわけでもなかったので、話し相手は家族か指導教員という状態でした。
私の場合は、修士の段階で研究に対するモチベーションが同期と異なっていたので、その状況は慣れていました(同期とは仲良かったですよ(笑)。たまにムカついて口きかなかったことありますけど(笑))。
しかし、一緒に頑張っていた仲間が急にいなくなると、寂しく感じるでしょう。ですので、コツコツ一人でも研究を進められるようにしましょう。何週間か経てば、慣れてくると思います。
ただ、こういう状況は少しでも減らした方がいいので、上述したように研究仲間を作りましょう。
やはり身近な仲間の存在は大きいです。研究業績を挙げるよりも、何倍も価値があると考えています。
11. 誠実か
研究には誠実に取り組みましょう。たまにデータの改ざんが見つかって論文の取り下げを行うニュースを見ます。そんなことをしてしまっては、一生の傷です。
予想と異なるデータが得られた場合、「この部分こうなったらなぁ」と考えることは、私もあります。しかし、その場合も実験事実を素直に受け入れ、理由を考えましょう。思わぬ方向に研究が進行するかもしれません。
基本的に思い通りにいかないのが研究です。自己都合でデータを書き換えることは許されません。とにかく誠実に向き合うことです。そして、必死に考えましょう!きっと報われます。私がそうでした(笑)。
12. 常に先を見通せるか
研究をするうえでは、常に先を見通す必要があります。すでに行われていることをやるだけでは、自由研究と変わりません。大人がやる研究ではないです。
先を見通して研究を行うことで、必要な検討が見えてきますし、なによりアイディアが尽きなくて済みます。
なので、情報収集も欠かさず行っておきましょう。種が多ければ、その分自分の業績を増やすことができますし、研究をより洗練させることができます。その先には、自身の研究の実用化も見えてくるでしょう。
また研究は時間との勝負でもあります。競争相手が多い分野の場合、いかに早くアウトプットできるかも重要になってきます。
相手に先を越されずに、未開拓の分野にいち早く着手するためにも、先を見通す力は不可欠です。
13. 周りを気にせずにいられるか
人に気遣うことが重要であると上述したので、矛盾するかもしれませんが、自分の中で納得のいかない意見や、付き合う必要のない人を気にする必要はないということです。
余計なものに気を取られると、疲れてしまうだけですので。
特に民間企業に属して研究をする場合は難しいのですが、利益を考えすぎないことも大事かと思います。
また大学や国研で研究する場合も、論文数にこだわりすぎないのが良いでしょう。
仕事として研究に携わる場合、どうしても周りからの圧はあると思います。それに対応する必要はあります。お給料をもらっているので。
それでも、自分が気になることや追求したいと思うことは、譲らなくて良いと思います。時間を見つけて、並行して検討をするのも手ではないでしょうか。
リチウムイオンバッテリー(LIB)でノーベル賞を受賞した吉野彰先生も、開発当初は上からのプレッシャーがあったそうですが、気にしていたら進めないということをおっしゃっています
クローズアップ現代: https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4340/
また、大学院に進学する場合、親や友人の理解を得られないことがあるかもしれません。
私も経験がありますが、修士に進んだ段階で友人に「まだ学生できるの良いね」というようなことを何度か言われました。
確かに学生の内は責任が問われないので、そういう意味では楽です。ただこの場合の「良いね」には、「まだ遊べるからいいよね」という意味が込められていると思っています。
個人的には、「それはお前が勉強しないで遊んでたから、そう思うんだろ」と心で言い返していました(笑)。
一生懸命研究活動に取り組んでいる人間に対してこのような発言は、失礼極まりないです。一方で、一生懸命取り組んでいない学生は確かにいるので、そういう人には言ってもいいですけど(笑)。
このような他者のイメージは気にせず、自分がどう思うかを大切にしてください。就活でも同じです。ブランドなんか、気にしないでください。
周りを気にしなくなると、大切なものが見えてくるようになります(必要な人への気遣いは大切ですよ)。
研究職からのキャリアチェンジ


それではこれまでの内容をご覧になって、やっぱり研究職向いてないなと思った場合はどんなキャリアパスが見られるのか考えてみましょう。
私は最近(2023/5現在)転職エージェントを通じて転職活動にトライしていますが、エージェントから結構広い分野で求人をいただきます。また書籍「アカデミアを離れてみたら」はキャリアパスについては参考になり、非常に興味深かったです。
自動車メーカーにいる私に紹介頻度が高い職種と上記書籍の中で興味深かった職種は以下です。
- エンジニア
- コンサルタント
- 大学広報



研究職の経験は多様なキャリアパスに応用が可能です。
エンジニア
エンジニアはいわゆる製品開発などのお仕事に当たり、研究職が10年先の実用化を見据えて業務を行うのに対し、大体5年未満での実用化を目指す技術を扱うイメージです。
なので基本的には事業に直結するような仕事内容になるかと思います。研究職ほど我慢の必要がない仕事になるかもしれません。ある程度結果が出やすいものを扱いますので、自分の成果が目に見えやすいのが良いところだと思います。
またエンジニアと言っても内容はいろいろあり、
- システムエンジニア
- 機械エンジニア
- 品質管理エンジニア
に分かれます。私はまさにシステムエンジニアをやっています。いわゆるSEと呼ばれるものですが、ウェブサイトの構築や私がやっているような制御システムの開発など、やる内容は様々あると思います。
機械系の開発職の方は機械エンジニア、製品の品質管理を行う方は品質管理エンジニアとなります。一口に研究職といってもたくさん内容があるように、エンジニアもたくさん内容があります。
ただ、研究職に比べるとそんなにゆっくり仕事ができないと思います。製品化や量産段階の開発はとにかく忙しくなるので、ワークライフバランスという観点では研究職の方がいいのかなという印象です。
コンサルタント
また私はコンサルタント職の求人紹介もしくはコンサルタント会社からの直接スカウトを受ける機会が結構あります。
外資系のコンサルタントではなく、技術コンサルタントに当たる業種です。ある技術に対する投資や、どういった技術を使えば今ある課題を解決できるかということを提案したりします。
研究職とは異なりますが、研究に関する知識がないと対応するのが難しい職種でもありますね。私は将来的にポスドクの不安定な雇用をどうにかしたいという思いがあるので、こうした技術コンサルタントという職業にも興味があります。
大学広報
大学広報という職業については上述した書籍「アカデミアを離れてみたら」にて触れられていました。大学の事務職に当たる職業というイメージですが、自身の大学の研究をアピールする役割を担います。
上述した技術コンサルタントに似た側面があり、大学で行われている研究をしっかりと理解しておく必要があります。
博士号取得後のキャリパスとしてはかなりまれなものだと思いますが、とても充実した働きぶりが書かれており、選択肢としてよいものだという印象を受けました。
こちらの書籍では本当にいろいろなキャリアが紹介されているので、ぜひ読んでみてください。基本的には博士号所得者の進路が書かれていますが、多様なキャリアパスを考えるのに参考になります。
まとめ


今回の投稿では、これまでの私の経験を通して研究者に必要な素養を13個提案しました。
もっとも重要な要因は、「研究が好きであること」だと考えます。
私は自身の研究が好きだったので、苦しいと思う瞬間はありませんでした。夢中で突き進むことができました。
しかし、結果を出すためには運が必要です。環境に恵まれ、ブレイクスルーを引き当てることが求められます。ですがその運さえも、コツコツと忍耐強く努力を続けた先に掴めるものだと思います。これまでの研究活動を通して、そのように感じました。
また、研究職以外に考えられるキャリアパスについても紹介しました。研究職での経験はどんなことにも応用が利くと思うので、今回紹介した職業以外にも多くの可能性があります。自分の適性や興味関心をとことん生かしていきましょう!
今回の投稿を読み、前向きに研究などの自分の業務に取り組んでくれる方が増えてくれることを祈ります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!